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参院選対策?小泉さんまねた?首相訪問に困惑(読売新聞)

 沖縄の米軍普天間飛行場移設問題の「5月末決着」まで1か月を切り、鳩山首相が乾坤一擲(けんこんいってき)の沖縄初訪問に踏み切った。

 「最低でも県外」とぶち上げて県民の期待をあおったことを平謝りすることで、公式に「県内移設」へカジを切ろうと狙ったものだ。だが、ようやく現地入りしても、首相から具体的な移設案の説明はなく、沖縄の怒りと失望は一段と深まった。

 ◆おわび行脚◆

 4日午後、米軍普天間飛行場に隣接する宜野湾市の普天間第二小学校で開かれた鳩山首相と沖縄県民の対話集会。

 「沖縄の皆さんに負担をお願いしなければならない状況であることを改めて申し上げなければならない。本当につらいことですが」

 約1時間10分に及ぶ集会が終わりに近づき、首相が締めくくりのあいさつを始めると、それまで静かだった会場からヤジが飛んだ。

 「公約を守ってください。これ以上、我慢できません」。これをきっかけに会場はざわつき、首相はヤジにさらされた。首相は「これが第1回目の対話。もう来るな、と言われるかもしれませんが、皆さんの気持ちをさらに学ぶ機会をいただきたい」と低姿勢を貫いた。首相が去る際、参加者からは拍手一つ起きず、冷ややかなムードで終わった。

 沖縄では、4月25日に仲井真弘多(ひろかず)知事ら全自治体の首長らが出席し、大規模な「県内移設反対」の県民大会が開かれたばかりだった。直後に首相が正反対の案を携えて乗り込めば、火に油を注ぐのは明白だった。首相周辺は「体を張って止めようとしたが、どうしようもなかった」と打ち明ける。

 それでも首相があえて沖縄入りに踏み切ったのは、自らが期限を切った「5月末決着」に向け、「成算があるわけではないが、とにかく乗り込んで謝罪し、局面を打開しようという気持ち」(周辺)からだった。

 昨年9月の首相就任後、一度も沖縄を訪問していないという野党の批判をかわすと同時に、「地元の合意」を重視する米側にも努力の跡を示す必要があった。

 首相は昨年12月15日、現行計画の名護市辺野古以外を候補地とする方針を表明。その後、平野官房長官が中心となって候補地を模索したが、米国、沖縄、社民党の3者の理解を得られる「解」を見いだせないまま行き詰まった。さらに、鹿児島県・徳之島でも移設反対集会が開かれるなど、八方ふさがりの状態だった。

 ◆アリバイづくり◆

 だが、首相の「体当たり」が局面打開の決め手になるかどうかは疑わしい。

 「首相の考えていることはだいたいわかる。対話集会を『沖縄と話をした』というアリバイづくりに使われたらたまらない」。対話集会に出席した男性は記者団に怒りをあらわにした。

 今回の訪問では、仲井真知事との会談をはじめ宜野湾市での対話集会までほぼすべて報道陣に公開した。

 このため、「小泉首相の再訪朝の時の対応をまねたのだろう」(政府関係者)との見方が出ている。2004年5月、北朝鮮による拉致問題解決のために再訪朝した小泉首相(当時)が帰国後、報道陣に見せる形で拉致被害者や家族らへの説明会を開催。安否不明の家族らから批判を一身に受けても耐えた姿勢が評価されたことを参考にしたという見方だ。

 また、この時期の首相訪問について、夏の参院選対策だとの指摘も出ている。

 「参院選まで持ち越すと、責任を持った政治にならない。その後に県知事選も控えている」

 宜野湾市内のホテルで基地所在市町村長と会談した首相は「5月末決着」の理由について、こう説明したという。出席した島袋俊夫うるま市長は「(選挙日程を優先させた日程だったことに)あぜんとした。『本当に総理か』とショックを受けた」と批判した。

 (政治部 杉田義文、那覇支局 松浦篤)

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